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 女性にウソをついたり、複数人で取り囲んで説得したりしてアダルトビデオ(AV)出演の契約を結んでいるとして、NPO法人資格を持つ消費者団体「消費者機構日本」が4月下旬、東京都内のAVプロダクションに改善を求める文書を送った。同機構がAVプロダクションに申し入れをするのは初という。関係者への取材でわかった。

 文書によると、都内にあるAVプロダクション「アルシェ」は、女性と契約を結ぶために「絶対ばれない」「身ばれ(身元の判明)しない」などとウソをついたり、契約を断っているにもかかわらず複数人で取り囲んで説得して物理的、精神的に女性が退去するのを妨害したりしたという。

 同機構は、こうした行為をやめるよう申し入れた上で、同社が使っているスカウトがAVへ勧誘する目的を隠し、女性に近づいていることも問題視。スカウトの利用禁止のほか、AV出演の契約を結ぶ場合は、8日間以上の無条件解約(クーリングオフ)期間を設けることを要請した。契約書を確実に女性に渡すことも求めた。プロダクションがAVメーカーへの宣伝材料として、女性の全裸や半裸の写真を撮っていることについても、着衣のままの撮影を行うよう求めた。朝日新聞は同社側に取材を申し込んだが、回答はない。

 AV出演強要の社会問題化を受け、消費者機構日本はAV業界での契約実態を調べてきた。昨年11月には、AV業界が業界健全化に向けてつくった第三者委員会に対し、出演契約に関する意見書を出している。(高野真吾)