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 高松市中心部の市立中央公園は、かつて野球場だった。36年前までは。

 「高松市立中央球場」は、戦後間もない1947(昭和22)年に完成した。内野スタンドを備え、全国高校野球選手権香川大会など高校野球の試合だけでなく、プロ野球のオープン戦なども開かれた。

 球場の最後の試合は82(昭和57)年4月17日。選抜大会に出場した丸亀商と、春の県大会で優勝した尽誠学園が対戦した。尽誠学園が勝ち、四国大会への出場を決めた。

 当時の朝日新聞は、この試合の後に県下33校の野球部員495人が集まり、「サヨナラ57」の人文字をつくったと伝えている。市歴史資料館には、当日の写真が残っていた。

 5月、市役所13階から写真を撮った。球場があったとは想像できないほど、緑が生い茂っている。昔の写真と見比べると、周囲のマンションとビルが高層化したのがわかる。

 試合後まもなく解体が始まり、「野球王国」の香川を支えた球場は、多くの球児やファンに惜しまれながら幕を閉じた。公園の北にある自由広場には、ホームベースなど塁をかたどった石が埋め込まれ、球場の名残をとどめる。

 グラブをはめ、キャッチボールする子どもたちがいた。香川県出身のプロ野球選手、水原茂と三原脩(おさむ)の像が、それを見守るかのようにたたずんでいる。(添田樹紀)

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