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 名古屋市守山区の病院から鑑定留置中の容疑者が逃走した事件で、単純逃走容疑で逮捕された同市西区の無職小倉泰裕容疑者(57)=現住建造物等放火容疑で逮捕=が、自転車などを使って少なくとも50キロを移動していたことが、愛知県警への取材で分かった。小倉容疑者は容疑を認め、「なんとなく逃げた」と説明しているという。

 県警などによると、小倉容疑者は、22日午後9時15分ごろに国立病院機構東尾張病院から逃走し、北に約20キロ離れた犬山市に移動。23日朝には、同市のコンビニ店駐車場で、知人に現金1万円を借りようとした。その後、再び名古屋市に戻り、犬山市のコンビニから南に約30キロ離れた名古屋市緑区の家電量販店で捜査員に発見された。

 県警は、この店の敷地内で小倉容疑者が移動に使った可能性がある自転車1台を回収。犬山市内で小倉容疑者とみられる男が自転車に乗る姿が防犯カメラの映像に残されており、県警は逃走手段と経路の裏付けを進める。

 家電量販店から約1・5キロの場所には小倉容疑者の元妻宅がある。県警は2月、元妻宅への放火容疑で小倉容疑者を逮捕した。逃走中に訪れる恐れがあるとして周辺を警戒していた。

病院が会見

 国立病院機構東尾張病院は23日、記者会見を開き、西岡和郎院長が謝罪した。小倉容疑者は、鑑定留置中の4月9日から入院、逃走直前は閉鎖病棟2階の「準保護室」に入っていたが、比較的穏やかに過ごしていた。

 22日午後9時、消灯に訪れた看護師が、小倉容疑者の在室を確認。その17分後に警報音が鳴り、病院側は逃走に気づいたという。病室はドアが内側からは開けられず、横開きの窓も10センチほどしか開かない構造で、西岡院長は「逃走は想定外」と話した。