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 阿波踊りの運営で4億円を超える累積赤字を抱えた徳島市観光協会について、高松高裁は、破産手続きの開始を決めた徳島地裁の決定を支持し、協会の即時抗告を棄却した。決定は23日付。協会と、手続きを申し立てた市双方の代理人が24日、明らかにした。今夏の阿波踊りは例年通り開かれる見通しとなった。

 協会は1972年以降、徳島新聞社と共に阿波踊りを主催してきたが、雨天中止時の払い戻しや観覧席の改修費などがかさみ、2016年度末時点で借入金が約4億3600万円にのぼっていた。協会の損失を補償してきた市が申し立て、徳島地裁は3月、破産手続き開始を決定。協会が高松高裁に即時抗告していた。

 協会は即時抗告の際、個人や企業などから計約3億3千万円の協力金が集まり、保有する約1億5千万円と合わせて市への債務約3億8千万円を返済できると主張。市は、協力金は返済が必要で「債務超過の状態は変わらない」と訴えていた。

 徳島市は今夏の阿波踊りを、例年通り8月12~15日に開く方針。新たな主催団体となる実行委員会は4月に発足。市が中心となり、徳島新聞社も市の要請で加わった。実務は、市の臨時職員として雇用した協会の元職員1人を含む10人が担う。協会が所有していた観覧席1万6千席分の資材は、市が協会の破産管財人から2億1600万円で購入しており、例年通りの規模で開催できる見通し。30日に2回目の実行委を開き、旅行会社向けのチケット予約の受け付けも6月1日から始める予定で、準備を本格化させる。

 協会を支援してきた阿波踊り連(グループ)の組織「阿波おどり振興協会」も、実行委主催の阿波踊りに参加する意向を表明している。

 遠藤彰良市長は「(即時抗告が棄却され)ほっとしている。多くの方の心配を払拭(ふっしょく)するためにも、関係の団体と協力しながら、市が責任をもって阿波踊りの準備を進めていきたい」と話した。協会の花野賀胤(よしたね)事務局長は「高裁判決を真摯(しんし)に受けとめる」とし、最高裁への特別抗告については「混乱を招かないように慎重な対応をとっていきます」とのコメントを出した。(佐藤常敬)