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 成田空港が2020年東京五輪・パラリンピックに向けて大きく変わろうとしている。キーワードは「バリアフリー」や「日本らしさ」。誰もが使いやすいターミナルへとリニューアルし、訪日外国人に「日本の玄関」らしさを感じてもらう演出も仕掛ける。

 国内線の出発ロビーの一角。壁際に設置されたボックス内に腰掛け、上部からスクリーンを下げる。そこは、周りの目が気にならない暗くて静かな空間だ。

 空の旅を前に、発達障害や知的障害、精神障害のある人や家族などが落ち着ける場所。多くの人が行き交う空港で、音や光、周囲の目線が苦手な人のストレスを減らすことができる。特別支援学校などに設置されているこの小さな部屋は、今年1月に国内の空港では初めて成田に設置。現在は2カ所に設けられている。

 17年前。日本発達障害ネットワーク事務局長の橋口亜希子さんは、家族での海外旅行で成田空港にいた。保育園の年長だった長男が、動く歩道で進行方向と逆向きに乗った。橋口さんは近くの女性に叱られ、長男は泣き叫んでパニック状態に。「大丈夫だよ」。長男を隅の方に連れていき、気持ちを落ち着かせた。

 こうした体験をした家族らの声を受け、成田国際空港会社(NAA)が設置したのが“小さな部屋”だ。橋口さんは「全国の空港に広がってほしい」と期待する。

 NAAがバリアフリー化を進めるきっかけは、政府が17年2月に策定した「ユニバーサルデザイン2020行動計画」だ。「利用者の目線で足りない点があるのではないか」と、障害がある人や支援団体の声を聞きながら進めることにし、有識者らを交えて推進委員会を立ち上げた。実際にターミナルを見て回ったり会合を重ねたりして、今年4月に基本計画をまとめた。

 NAAがすでに大がかりな改修を進めているのがトイレだ。誰でも使える多機能トイレは混雑し、車いすの人が利用しにくかった。そこでベビーチェアを一般トイレの個室に設けるなど機能を分散。異性を介助する人などが利用できる男女共用のトイレも整備する。また、目の不自由な人が分かりやすいよう床のブロックも改修。手すりの端は危なくないよう丸くする。

 ただ、一部のエレベーターや傾斜路は大がかりな工事を伴うため改修が難しく、スタッフを配置するなどして対応する。NAAは空港の全スタッフ向けに、障害への理解を深める研修を開くなどソフト面の支援も充実させていく方針だ。

 障害者インターナショナル日本会議のバリアフリー担当顧問で、手足が不自由で電動車いすを使っている今西正義さん(69)は、NAAが今年4月にまとめたバリアフリーの基本計画づくりにも携わった。「東京五輪・パラリンピックで課題が出てくると思う。当事者の声を聞きながら、繰り返し改善していくことが大事だ」と話す。

 「古い」「暗い」……。開港か…

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