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(25日、大相撲夏場所 13日目)

 栃ノ心の陰に隠れてきた鶴竜が残り2日で並んだ。

 この日の相手は逸ノ城。変化に屈した1敗と不戦敗があるだけで、まともにやって負けたことはない。立ち合いは左で張って右差し。左もねじ込んで両差しにした。「あそこまで入ったら勝負は早めにね」。右下手を手前に移してひじを張り、相手の上手の力をそぐ。腰を落とし、粘る225キロを寄り切った。

 「おもしろくなってきたな」と八角理事長(元横綱北勝海)。14日目は栃ノ心との直接対決だ。だが、「楽しみでは?」と問われた鶴竜は「ない」ときっぱり言った。「ただ自分の相撲を取る。それだけ」。高まる周囲の熱からわざと距離を取ろうとしている。

 過去4度の優勝で連覇の経験がない。優勝翌場所の成績は9勝が2回、途中休場が1回。「今までは高ぶって空回りしたり、逆に緩みすぎてダメだったりした」。同じ轍(てつ)を踏まないため、「勝とうとしない」と欲を封印。無心を心がけている。

 だから、10日目の琴奨菊戦で変化で勝った後、支度部屋で自分に怒った。「なに勝とうと必死になってんだ。自分の流れを台無しにした。これなら負けた方が良かった」。終盤に入り、動きに切れが戻ってきた。

 栃ノ心との対戦成績は過去21勝2敗と相性がいい。「そういうことも考えない」。あくまでも自然体で今場所の主役を迎え撃つ。(菅沼遼)

 ○正代 3場所ぶりの勝ち越し。「やるときはやるでしょ? あっち(栃ノ心)の方が緊張してたのかな。あー、すごいうれしい」

 ○白鵬 優勝戦線に踏みとどまる。「(1敗力士の)片方(栃ノ心)とはもう当たってるんで、自分の力ではどうしようもない。一番一番頑張ります」

 ○阿炎 6勝目。「勝ち越しっすか? あっ、まだか。しんどいわー」

 ○周志 腰のけがから復帰し、2度目の序ノ口優勝。「経験があるのでリラックスできた。(テレビの)インタビューで何言おうか考えてました」

 ○豊昇龍 元横綱朝青龍のおいが序二段優勝。千葉・日体大柏高時代も優勝はないといい、「本当にうれしい。おじさんに電話します!」。

 ○安美錦 頭を下げて食い下がり、最後は上手投げ。「投げはたまたまだけど、我慢できたことが次につながる」

 ○栃煌山 5場所ぶりの勝ち越し。「うれしいですね。ほっとした。調子はだんだんよくなっている」

 ○御嶽海 小結で勝ち越し。「体が動いた感じ。勝ち越したんであと2日、気を引き締めて相撲を取りたい」