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(27日、大相撲夏場所千秋楽)

 鶴竜の成長が試された結びだった。栃ノ心が13勝目を挙げた直後。「自分の相撲を取りきることだけを意識した」。白鵬に頭からぶつかる。右四つで攻め立てた寄りは土俵際で残られたが、両上手を引きつけた2度目で勝負をつけた。

 初の2場所連続優勝を決めて支度部屋に戻ると、フーッと息を吐いた。「自分にとって大きな意味を持つ。本当によかった」。5度目の優勝に特別な実感を込めた。

 2014年初場所は決定戦で敗れた優勝同点、春場所で優勝して横綱に昇進した。ただ「連続優勝でないのが引っかかっていた。ラッキーと思われたくない。連続優勝で(力を)証明したかった」。4年間抱えていた横綱としての劣等感を明かした。

 これまで優勝した翌場所は2桁勝利さえなかった。「高ぶって空回りしたり、逆に緩みすぎたり」。今場所は違った。1差で追う栃ノ心の勝敗を気にもとめず、自身の土俵に集中。そしてチャンスを逃さなかった。13日目に並び、14日目の直接対決で逆転した。

 安定した強さがないのがこの横綱の最大の欠点だった。ただこの2場所は違う。「進化したところを見せられた」。32歳のいま、鶴竜は全盛期を迎えた。(岩佐友)

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