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遠藤乾=国際

△黒井文太郎「北朝鮮の非核化『楽観論』がまだ成立しない理由 現時点では存在しない北朝鮮が核放棄する根拠」(JBpress、5月7日)

 軍事ジャーナリストの黒井は、公開資料から北朝鮮の言説を丁寧にたどり、①これまで何と言ってきたのか、②何を「言っていない」のか、③何を「匂(にお)わせつつ、言質をとられない言い回し」をしてきたか、という3点から検討した結果、北朝鮮が核放棄する可能性はあるが、その可能性が「高い」と言える根拠情報は、残念ながら現時点では「ない」と結論付けている。冷静な議論の出発点にすべき分析である。

△ジョン・ガーナー「中国の政治介入に揺れるオーストラリア 民主的対抗策の原則を探る」(フォーリン・アフェアーズ・リポート5月号)

 元豪首相顧問ガーナーは、オーストラリアにおける中国共産党の浸透を具体的につづっている。中国共産党への批判を中国(人)批判と同一視して言論抑圧を強め、人的・金銭的ネットワークを通じて政治的アクセスを得、大学をプロパガンダの道具とする一方で、オーストラリアは、明確な現状分析によって、リスクを管理し、ダメージを特定しつつ、中国との全般的関係を維持することで、中規模の開放的多文化民主国のモデルをなしている。鍵は、中国でなく中国共産党を対象とし、後者の意図的な行為にしぼり、他の国の同様な行動にも同様の対応をするといった原則のもとで対応することにあるようだ。

△NNNドキュメント「南京事件Ⅱ 歴史修正を検証せよ」(日本テレビ、5月14日)

 2015年の「南京事件 兵士たちの遺言」に引き続き、日中戦争期の南京事件を再検証したテレビ・ドキュメンタリー。出征兵士の日記という一次史料や聞き取り調査をもとに、武装解除された捕虜に対して幕府山近辺で実際に起きた虐殺を跡付けるとともに、南京事件を否定する歴史修正主義の議論(この場合「自衛のための発砲」論)を、その源となった証言にさかのぼって検討しなおし、それが当事者で戦犯追及を恐れた連隊長による戦後の捏造(ねつぞう)であったことを示している。

木村草太=憲法・社会

△鈴木賢「鄧小平憲法から習近平憲法への転換 中国憲法5度目の部分改正のポイントと意義」(法律時報5月号)

 3月11日の中国憲法改正の事…

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