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 6月12日の米朝首脳会談の開催を目指す動きが米朝両国で再び強まっていることを踏まえ、米政府は28日、北朝鮮に対して準備していた新たな大規模経済制裁の発表を延期する方針を決めた。同日の米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)が米政府当局者の話として伝えた。

 同紙によると、米財務省は、トランプ米大統領が米朝首脳会談の中止を表明する原因となった北朝鮮の攻撃的な言動への対抗措置として、中国やロシアの企業を含む36近くを対象とした新しい制裁の準備を進めていた。米ホワイトハウスは29日にも制裁案を発表する予定だったが、米朝間の対話が進んでいる状況から、延期することを28日に決めた。

 米朝首脳会談をめぐっては、両国が首脳会談の実現に向けて準備を加速させている。米国は核問題で北朝鮮との交渉経験があるソン・キム元北朝鮮政策特別代表を27日から北朝鮮に派遣し、北朝鮮との高官協議を開始した。米朝両国は28日、シンガポールにも代表団を送っている。

 米国の今回の制裁延期は、新たな制裁を北朝鮮に科せば、現在の首脳会談の実現に向けた動きに支障を与えかねない、という判断があったとみられる。(ワシントン=園田耕司)