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 日米の文化に詳しい放送プロデューサーのデーブ・スペクターさん。外国人から見た日本の高校野球の驚きと魅力について聞いた。

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 通っていた中学校は、大リーグのシカゴ・カブスの本拠地「リグレーフィールド」のすぐそばでした。窓から試合の様子がよく見えましたよ。野球は一番身近なスポーツでしたね。

 でも、日本で最初に高校野球を見たときは違和感ばかりでした。丸刈りの選手たちが整列して、いきなり試合開始のサイレンが鳴る。まるで戦争でも始まったのかと思った。

 開会式の選手宣誓もそう。フェアプレーをするって、そこまで約束しなくてもいいのにって。米国だとフェアプレーって当たり前だし、大概の外国人は驚きますね。でも、これが日本の文化なんだって思った。

 日本に来て35年。今では僕も「昔、甲子園に出たことがあるんです」って聞くと、思わず「出たことあるんですか!」って驚くようになった。まるで、大リーグのワールドシリーズに出たことがあるぐらいの価値。高校野球ってさわやかで純情だし、注目度も高いからやりがいもある。

 日本のテレビや新聞も、高校野球の話題をよく取り上げる。米国だとスポーツの話題ってスポーツ番組でしかしない。日本はワイドショーでも取り上げたりするし、女性も野球用語を知っている。世の中での浸透力がすごい。草野球も盛んだし、そういう意味では米国以上の野球大国かもしれない。

 でもいま、高校野球をやる子が減っているって聞きます。甲子園に出るためには強くならないといけない。でも、一生懸命すぎて怒られながらじゃ、楽しくなくなっているんじゃないかな。いまの子どもたちの体質にも合わなくなっているのかもしれない。

 日本のスポーツの最大の問題って、ほとんどが学校とか限られた場所でしかできないことだと思う。米国だと土地が広いというのもありますが、自分が楽しむために色々なスポーツをしている。スポーツとレジャーの境が見えないぐらい。日本の高校野球ももっと肩の力を抜いたらどうかな。

 これまで2回、甲子園にも行って高校野球の試合を観戦しました。テレビでいつも見ていましたけど、実際に見ると圧倒される。球場の土ぼこりのにおいとか、あの熱風。大リーグの名球場にも、引けを取らないぐらい甲子園は雰囲気がある球場だと思う。

 夏の大会は今年が100回目。101回目のプロポーズじゃないけど、これからも日本の野球愛を実現していってほしいですね。(聞き手・古庄暢)

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 デーブ・スペクター 米・シカゴ生まれ。1983年に米・ABC放送のプロデューサーとして来日、テレビを中心に、日米の情報を双方に紹介する。現在、テレビ朝日「ワイド!スクランブル」などに出演中。日本語の魅力を駆使したダジャレやウィットの利いたアメリカンジョークを掲載するツイッター(http://twitter.com/dave_spector別ウインドウで開きます)のフォロワー数は約180万。