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 大阪府立病院機構「大阪国際がんセンター」(大阪市中央区)は29日、漫才や落語による「笑い」によって、がん患者の免疫力向上のほか、緊張や疲労といった心身の状態も改善したことなどが確認されたと発表した。今後、研究結果を論文にまとめ、さらに詳細な分析も進めるという。

 センターは吉本興業や松竹芸能、米朝事務所の協力を得て、笑いががん患者に与える影響を調べる実証研究を実施。昨年5~6月の計4回、漫才や落語を鑑賞した患者と、鑑賞しなかった患者のそれぞれ約30人の血液を採取して分析した。

 その結果、笑いの舞台を鑑賞した患者の1人は、免疫細胞の一つである「NK細胞」の血中の割合が実験前の約1・3倍に増えたことなどが確認され、鑑賞した患者全体でも免疫細胞の増加傾向がみられたという。また、患者の気分の変化などもアンケートし、緊張や抑うつ、疲労などの6項目全てで改善がみられ、がんの痛みについても改善があったという。

 松浦成昭・大阪国際がんセンター総長は「笑いを楽しむことで患者さんががんの苦痛から少しでも解放されることが示せた。治療に役立てることはまだ難しいが、将来は期待したい」と語った。(楢崎貴司)