[PR]

富士通 田中達也社長に聞く

 人工知能(AI)ブームに沸くIT業界。米グーグルなどが投資を拡大する中、日本勢はどう向き合うのか。富士通の田中達也社長に聞いた。

 2018年度の設備投資は1千億円と前年から6%増やします。投資額の規模ではグーグルやアマゾンのような米IT大手に及びませんが、海外の大学などに研究拠点を置いたり、現地のベンチャー企業に出資したりすることで、研究開発から事業化までのスピードを上げたいと考えています。

 北米など大きな市場に近いところで研究開発をすれば、市場に合わないものを開発してしまうというリスクも減らせるでしょう。

 さまざまな組み合わせを瞬時に計算でき、新素材の開発などに役立つとされる高速コンピューター「デジタルアニーラ」の開発では、研究で実績のあるカナダのトロント大学に拠点をつくり、ソフト開発に取り組むカナダのベンチャー企業に出資もしました。

 AI分野でも、研究機関との共同開発に取り組んでいます。(コンピューターが情報を処理する手順である)アルゴリズムの研究に力を入れているフランスの国立研究機関に、人材を送りました。現地企業とも連携することで、迅速に事業化につなげることができます。

 AIを強化するための人材集めは大手企業を中心に始まっていますが、すべての人材を社内に置くのは非効率です。データを集めて、情報をAIに組み込んで、セキュリティーも強化するというサイクルを自前でやるのは難しい。企業は自社製品のコア部分に注力し、それ以外のシステムは「餅は餅屋」に発注した方がいいのです。

 富士通は長年にわたって、総合的なシステムを構築して運用してきた蓄積があります。米IT大手に資金力や企業規模で負けていたとしても、特徴的な技術を持ったベンチャー企業と組むことで、きめ細かく顧客と付き合ってきた強さを発揮できると考えています。(聞き手・北川慧一)