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 指定暴力団共政会傘下の組長や組員に「みかじめ料」を脅し取られたなどとして、広島市内の風俗店経営者らが、同会の守屋輯(あつむ)総裁(75)ら4人に約2200万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が30日、広島地裁であった。小西洋裁判長は守屋総裁の使用者責任を認め、被告側に計約1800万円の支払いを命じた。

 判決によると、経営者らは2012年12月ごろから、広島市に本部がある共政会傘下の暴力団組員らにみかじめ料を要求された。応じなかったところ、車のフロントガラスをバットのような棒でたたき割られるなどの脅しを受け、約60万円を支払わされた。

 経営者らは「傘下の組長の意思は守屋総裁の意思と同視できる」と主張。暴力団の威力を使った資金集めは組織トップの責任を問えるとする改正暴力団対策法と民法の使用者責任の適用を求めた。判決は「守屋総裁は傘下組織の構成員を統制下に置き、指揮監督をする関係にあった」と指摘。守屋総裁は民法が規定する使用者にあたると判断した。

 事件当時、守屋総裁は服役中だった。原告側弁護士は判決後、「収監中でも使用者責任を認めた意義は大きい」と語った。

 原告側弁護団によると、みかじめ料をめぐって暴力団トップの責任を認めた判決は、昨年3月の名古屋地裁(同年確定)に次いで2例目という。

暴力団対策に詳しい尾崎毅弁護士(第二東京弁護士会)の話

 判決は、みかじめ料の支払いを拒否して車を襲撃されるなどした原告の精神的苦痛は甚大だと指摘し、相当額の慰謝料を認めた。その意義は大きい。今後、暴力団による同種の行為の抑止力になる可能性がある。ただ、報復を恐れて提訴をためらう被害者はまだまだ多い。都道府県の暴力追放運動推進センターが被害者に代わって裁判を起こすといった制度の新設も検討していくべきだ。