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 名古屋市の河村たかし市長は30日、名古屋城木造新天守にエレベーターを設けない、と正式に発表した。障害者団体から設置要望を受けていたが、「史実に忠実な復元のため」として退け、代わりのバリアフリー策の候補として11の新技術を示した。

 河村氏は記者団に対し、不設置の理由について「歴史的建造物の復元とは資料に基づいて同じものを造っていく行為だ」と語った。代替策の研究開発に市費を投入することや、実験に使う実物大の階段模型を設ける方針も発表した。

 市が代替策として示したのは、VR(仮想現実)・分身ロボット▽車いすで乗降可能なはしご車▽搭乗可能なドローンなど11候補。河村氏は、はしご車の技術により「(障害者も)新天守の1階まで上がれる」と述べた。最上部となる5階にも、他の技術を組み合わせることで「上がっていける可能性がある」と主張した。

 障害者団体のエレベーター設置要望については「この(不設置の)方がいいという人もたくさんいる」と話した。しかし、「愛知県重度障害者の生活をよくする会」の石田長武事務局長(48)は「安全性や実現可能性が分からない案で、誠意のかけらもない」と批判した。(関謙次)