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 米トランプ政権が欧州連合(EU)、カナダ、メキシコの鉄鋼・アルミ製品に対する関税措置に踏み切ることを受け、カナダのトルドー首相は31日午後、同規模の関税で報復すると表明した。EUやメキシコも対抗措置を発表しており、保護主義の連鎖的な波及への懸念が強まっている。

 トルドー氏は記者会見で「関税は両国の産業と労働者をともに傷つける」と批判。7月1日から米国の鉄鋼・アルミ製品などに高関税をかける方針を示した。対象品目は、米国の関税で影響を受けるカナダからの輸出品と同規模とする。

 EUの欧州委員会は、EUからの68億ユーロ(8570億円)ほどの輸出品が影響を受けると試算。同規模の対抗措置をとる構えで、まずは米国からの輸入品28億ユーロ相当に25%の関税をかける見通し。メキシコも鉄鋼製品や農産物などに幅広く報復関税をかける方針だ。

 鉄鋼・アルミ製品への関税措置は、米政権が安全保障を理由に3月に発動。日本や中国などは当初から対象とされた。ただ、北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉中のカナダやメキシコのほか、貿易不均衡の是正を求めるEUについては一時的に対象から外し、通商協議で妥協を迫る「カード」として使ってきた。

 当初はほかにも韓国、ブラジル、アルゼンチン、豪州が一時的な除外対象だった。米政権は、これらの国には輸出量の制限を受け入れさせる代わりに関税を免除する。こうした数量制限は、世界貿易機関(WTO)などのルールで原則として認めていないものだ。

 ロス米商務長官は31日の電話会見で「大統領は一方的に関税を増減したり免除したり、代わりに(輸出量の)割当制度を適用したり、望むことは多かれ少なかれ何でもできる」と指摘。今後は関税の免除などをちらつかせ、カナダなどに譲歩を求める姿勢を示した。(ワシントン=青山直篤、ブリュッセル=津阪直樹)