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 テニスの全仏オープンは31日、第5日がパリのローランギャロスで行われ、女子シングルス2回戦で出産後に初めて4大大会に復帰したセリーナ・ウィリアムズ(米)が第17シードのアシュリー・バーティ(豪州)に3―6、6―3、6―4で逆転勝ちした。

 男子シングルス2回戦では11度目の優勝を狙う第1シードのラファエル・ナダル(スペイン)がストレート勝ちした。

 女子ダブルスでは日比野菜緒(ルルルン)、オクサナ・カラシニコワ(ジョージア)組が2回戦に進出。

「私は限界は作りたくない」

 産休明けの36歳のセリーナを後押しするウェーブがセンターコートを巡った。本人は「ふだんは試合に集中したいから少しイラつくけれど、今日は楽しめた」。素直に受け止めた。

 第1セットを失い、第2セットの最初のゲームで1ポイントも奪えずにブレークされる窮地から逆転勝ちした。

 昨年9月に長女を出産してから初めての4大大会だ。現在、世界ランキングは451位。本来なら出場できない順位だが、けがなどで長期離脱した選手には離脱直前のランキングが最大8大会適用される特別ランキング制度で参戦している。1回戦の後、こう吐露した。「私の年齢で出産を経験してから復帰するのは、肉体的に楽じゃない」

 23度の4大大会優勝を誇り、長年、世界1位に君臨してきた彼女でも、シードの恩恵はない。

 この待遇について、トランプ米大統領の長女、イバンカ大統領補佐官は「ふざけている。子どもを持つことで制裁を受けるべきではない」とツイッターで批判。シャラポワ(ロシア)ら選手仲間からも、出産を経た選手への厚遇を認めるべきだという声が上がる。

 この日破ったのは第17シードの選手だから、シードにふさわしいレベルまで復活したことを証明した。

 「復帰3大会目だし、まだ以前のレベルには戻っていない。それに戻りたいわけじゃない。さらに先をめざす。私は限界は作りたくない」とセリーナ。飽くなきテニスへの向上心は、母になっても変わらない。(稲垣康介)