[PR]

 スペインの下院(定数350)で1日、中道右派・国民党のラホイ政権に対する内閣不信任案の採決があり、賛成多数で可決された。最大野党の中道左派・社会労働党のサンチェス書記長(46)が首相に就き、7年ぶりの政権交代となる。フランコ独裁体制後に現行憲法が制定された1978年以降、不信任案が可決されたのは初めて。

 不信任案のきっかけは国民党の大規模汚職だった。同案は次期首相の提案も兼ねており、新首相となるサンチェス氏は1日、「我々は今日、新たな歴史の一ページを書き込む。新政府は国民全体の利益を重視する」と述べた。

 ただ、社会労働党は少数与党の政権運営を迫られる。同党の下院議席数は84で、左派ポデモス(67議席)を加えても過半数(176)に届かない。カタルーニャ自治州など独立を目指す地域政党とは政策に溝があり、連携すれば「(政策がつぎはぎの)フランケンシュタイン政府」(地元メディア)となる。

 また、サンチェス氏は積極財政主義者で、「反緊縮」のポデモスが政権に協力すれば、イタリアと同様、財政規律を重視する欧州連合(EU)と緊張関係を生む可能性もある。

 国民の審判を受けていない新政権は難しい政権運営を迫られそうだ。5月の世論調査では、早期解散を訴える中道右派の市民党(32議席)が29%の支持率でトップに立ち、ポデモス(20%)が続く。2大政党の国民党と社会労働党はともに19%前後で伸び悩む。サンチェス氏は「政治が安定すれば」解散する考えを示している。(パリ=疋田多揚)

こんなニュースも