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 JR東日本管内で今年に入り、線路内への自転車の投げ込みや設備破壊などの被害が400件以上発生している。列車の輪止めが外され列車が動き出すなど、重大事故につながりかねない事案もある。JR東は各地の警察と連携し、対策に乗り出した。

 不審事案が目立ち始めたのは今年2月ごろ。JR東が全社的に報告を求めたところ、3月は約50件、4月は約150件、5月は約210件あった。首都圏に限らず、岩手県や長野県内など管内全域に及ぶ。

 4月12日夜には、福島県内の郡山駅で留置線に停車中だった2両編成の列車が無人のまま動きだし、約500メートル離れた機関車に衝突。列車前輪にはめてあった鉄製の輪止めが二つとも外されていた。

 5月12日夜には埼玉県川口市内の宇都宮線で線路内に自転車が投げ込まれ、下り普通電車が衝突し同線は約3時間ストップ。4月19、24日には横浜市内の新子安駅構内のトイレで、同月25日には内房線の車両内のトイレで、いずれもトイレットペーパーの燃えかすが見つかった。

 また、東海道線や武蔵野線を走る車両などでは、外部からの侵入が難しい乗務員室の扉内側に硬いものでたたかれたようなへこみが計約50件見つかった。ホーム上の発車ベルがなくなったり、線路上にベニヤ板や工事用ポールが置かれたりする被害も各地で起きている。

 JR東は郡山駅と宇都宮線、内房線の事案について被害届を提出。さらに車両基地に防犯カメラを増設したり、警備員を巡回させたりして警戒を強めている。

 4日に東京都内で開かれた協議会には、JR東管内17都県の鉄道警察隊長や、各JR支社の担当者らが出席。なぜ不審事案が増えているのか不明だが、警視庁の近藤義宏隊長は「軽微な事案でも鉄道の安全安心を脅かすものは看過しない」と対策を強める姿勢を示した。

 JR東の松木茂常務は「利用者に心配をかけて申し訳ない。警察の指導を受けながら、防犯カメラ設置や巡回強化などで万全の態勢をとっていく」と話した。(細沢礼輝)