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 高齢者の認知機能は、「残っている歯の数」よりも「かみ合わせる力」と強く関連していた――。そんな研究結果を、大阪大などのグループがまとめた。かむ力が強い方が脳への刺激になり、認知機能に関わるとされるビタミン類などの栄養の摂取にもつながっている可能性がある、としている。

 兵庫県と東京都に住む約2千人(69~81歳)に対し、2010~11年、残っている歯の本数や、専用のフィルムで「かむ力」を調べ、普段の食事内容などを聞き取った。また、記憶力などを問う認知機能のテストを受けてもらい、関連を調べた。その結果、かむ力が強かったり、緑黄色野菜を食べたりしている人ほど、テストの成績がよい傾向にあった。

 これに比べると、歯の本数と成績に、強い関連はみられなかった。入れ歯によって、かむ力を補っていた可能性があるという。研究を主導する、大阪大の池辺一典教授(高齢者歯科学)は「認知機能を保つうえで、歯を残すことも大切だが、入れ歯などでそしゃく機能を維持することが、それ以上に重要だ」と指摘している。

 グループはこれまでに、奥歯のかみ合わせが悪いと動脈硬化につながる可能性があることや、かむ力が弱い人ほど歩く速度が遅くなる傾向も明らかにしている。今回の研究結果は、米科学誌プロスワンに今年1月、掲載された。

 

<アピタル:ニュース・フォーカス・その他>

http://www.asahi.com/apital/medicalnews/focus/(鈴木智之)