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 出生数が2年連続で100万人を割り、人口減少が続く。政府は反転へさまざまな対策を打つが、家計への不安や保育所の不足など、子育て環境の整備にはほど遠い。社会保障制度の支え手が減ることで、負担増や福祉サービス削減の議論が本格化しそうだ。

経済的負担で「子ども」踏み切れず

 「子どもは1人までだね」。都内の病院で非常勤で働く医療職の30代女性は、保育園に通う長男が生後間もない時、夫にこう水を向けられた。2人目もほしかったが、「そうだよね」と答えた。住居費に加え、夫の奨学金返済もあった。家計はぎりぎりで、貯金にまわす余裕はない。夫は、二つのパートを掛け持ちするが、定職について収入が安定しないと2人目には踏み切れない。

 国立社会保障・人口問題研究所の「出生動向基本調査」(2015年)によると、理想とする子どもの数は2・32人、予定数は2・01人で差がある。理由を複数回答で問うと、「子育てや教育にお金がかかりすぎるから」(56・3%)がトップ。妻の年齢が35歳未満の若年層では約8割にのぼる。結婚や出産をめぐる意識が変化する一方、子どもを望む場合は経済的負担がネックになっている。

 「希望出生率1・8」を掲げる政府は、来年10月に幼児教育・保育の無償化を実施する方針だが、老後への不安もあって決定打になりそうにない。さらに、認可保育施設に入れない待機児童は、昨年4月時点で約2万6千人いる。産んだ先の子育て環境の整備も追いついていない。

 出産後の仕事への復帰に対する不安から出産を悩む人もいる。子どもを持つことは、労働環境の整備とも密接に絡む。立命館大の筒井淳也教授(家族社会学)は「長時間の残業も、転勤もある働き方を夫婦がともに続けるのは難しい。若い世代は、無理な働き方ではなく安定した給与を得ながら、同じ地域に住み続けて家族を持つということに、リアリティーを持てないでいる。男性も含め、将来への展望を描けるような働き方に変えていくことが重要だ」と指摘する。(斉藤純江、山田史比古、野村杏実)

■人口減、社会保障にも深刻…

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