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 米国のマティス国防長官は2日午前、シンガポールで開催中の「アジア安全保障会議(シャングリラ・ダイアローグ)」(英・国際戦略研究所主催、朝日新聞社など後援)で演説した。中国が南シナ海で急速に進める軍事拠点化を強く批判。米軍として、「積極的に競合していく」と強調した。

 トランプ政権が、中国をロシアと並ぶ「競合国」と位置づけたことで、対中強硬姿勢にさらに軸足を移すことになりそうだ。

 マティス氏は、在日米軍を傘下に抱える太平洋軍(司令部・ハワイ)を「インド太平洋軍」に改名したことについて「米国はインド太平洋にとどまり続ける」と主張。日本やインドなどと連携を強めて、中国の海洋進出に対応していく考えを示した。

 中国が南シナ海に造成した人工島に、対艦・地対空ミサイルを配備し、爆撃機を着陸させたことにも言及。こうした兵器は「脅迫と抑圧のために利用できる」と非難した。中国の習近平(シーチンピン)国家主席が2015年9月の訪米時、「南シナ海を軍事化する意図はない」と発言したにもかかわらず、それが順守されていないことも批判した。

 中国の動きに対抗する形で、米軍は6~8月に行われる今年の「環太平洋合同演習」(リムパック)への中国軍の招待を取り消した。理由についてマティス氏は「中国の行為は透明性と協調という目的と一致しない」と説明した。

 会場となったシンガポールでは、米朝首脳会談を10日後に控えている。マティス氏は「朝鮮半島の完全かつ検証可能で不可逆的な非核化が我々の目的であることに変わりはない」と強調。首脳会談では、北朝鮮に完全な非核化を改めて求める構えを示した。また、北朝鮮との間で今後、在韓米軍の存在について「議論することはない」と断言した。(シンガポール=峯村健司)

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