【動画】海底から溶岩がせり上がる赤沢の海=岡田和彦撮影
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 伊豆半島は「南から来た火山の贈りもの」と呼ばれる。本州の南約800キロ、太平洋の海底火山群がフィリピン海プレートの動きに合わせて北上し、火山島になって本州に接近、そして衝突。約60万年前に半島になった。その後も噴火を繰り返し、現在の姿になった。今年4月には、国際的に貴重な地形や地質としてユネスコ世界ジオパークに認定された。

 天城連山、浄蓮の滝、大室山、城ケ崎海岸などが、観光客の人気を集める。そして海中も「火山の贈りもの」であふれる。公認ジオガイドで伊東ジオマリンクラブ会長の大西敏郎さん(47)に静岡県伊東市赤沢の海を案内してもらった。

 赤沢ダイビングセンター(0557・53・3030)で装備を調え、漁船で沖へ。海岸線の切り立った崖は黒くごつごつと荒々しい。火山から流れ出して固まった溶岩だ。風波に削られた洞穴も見える。崖の上はなだらかな起伏が続き、緑に覆われているのと対照的だ。

 ひときわ大きな洞窟の沖で海中へ。海底からもごつごつとした溶岩がせり上がり、縫うようにして進む。大西さんが連れて行ってくれたのは深い渓谷のような地形だった。この日は波が高く、溶岩の裂け目である渓谷の海面は泡だっていた。海底に差し込む日の光の束が目まぐるしく動く。

 大西さんは「ダイバーでなければ目にすることのできない情景にあふれている。地球の営みを目の当たりにすることができる」と海中ジオの魅力を語る。(文・岡田和彦 写真・阿部秀樹氏)