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 早期発見が難しく治りにくいとされる膵臓(すいぞう)がんの患者支援団体、NPO法人パンキャンジャパン(東京)の沖縄県支部が今月発足し、患者・家族や医療関係者への活動周知に動いている。支部長を務めるのは沖縄赤十字病院の看護師、島袋百代さん(49)。2年前、54歳の夫一史(かずふみ)さんを膵臓がんで亡くした経験を原動力に「治療に関わる情報不足や、悩みを共有できる場が少ない現状を変えたい」と願う。

 膵臓は胃の後ろの深部にあるため、患部が特定しづらく発見時にはすでにがんが転移し手術できないケースが多い。一史さんも、その1人だった。

 進行中の治験や新たな治療法がないか、島袋さんはわらにもすがる思いで情報を求めたが、難治性がんだけに他のがんに比べてサバイバー(経験者)が少なく、県内には患者団体もなかった。パンキャンジャパンに出合い、悩みを聞いてもらうことで不安が和らいだのはそんな時だ。同時に「情報の発信源や相談先が沖縄にもあれば、救われる人がいっぱいいるのに」と強く思った。

 一史さんが亡くなって間もなく、深い悲しみを抱えながら長女(16)と共に東京であった膵臓がんの啓発イベントに参加。中学生の時に父親を失った男性の「悲しみは人を強く結びつける。大きな悲しみをエネルギーに変え、膵臓がんを治る病気にするため前進しよう」とのスピーチにも心を動かされた。

 電話での相談や語り合う場の企画、治療や食事に関する勉強会…。支援者を増やしながら、そんな取り組みを形にしたいと思い描く。赤十字病院の同僚で一史さんの主治医でもあった外科医の豊見山健(たけし)さん(49)も、顧問医師として県支部に参加。「当事者同士がつながることは、治療にもいい影響を与える。沖縄で活動を広げるため一緒に頑張りたい」と島袋さんを後押しする。

(沖縄タイムス)