拡大する写真・図版旋風

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 世界が見守る会談が始まる。6月12日にシンガポールで対面する、トランプ米大統領と金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長。2人はどのようにして、一国のリーダーになったのか。朝日新聞の記事やソウル支局長・牧野愛博記者の著書「北朝鮮核危機! 全内幕」(朝日新聞出版)、「金正恩の核が北朝鮮を滅ぼす日」(講談社)から探る。

トランプ氏:元プロレスラーの誘い

 1990年代終わりごろ、トランプ氏は大統領選の立候補に意欲を示したことがある。勧めてきたのは、民主、共和の2大政党ではない改革党からミネソタ州知事になったベンチュラ氏だった。

拡大する写真・図版米中西部ミネソタ州のブルックリンパークで、ベンチュラ州知事に代わって質問に答えるニューヨークの不動産王だったトランプ氏(左)=2000年1月7日、ロイター。ベンチュラ氏はこの頃、トランプ氏を大統領候補として推していた

 ベンチュラ氏は元悪役プロレスラー。序盤の情勢調査では「論外」の端役候補だったが、野太い声で俗語を話すなど型破りな選挙戦を繰り広げ、大番狂わせで有力候補を退けた。トランプ氏はベンチュラ氏を「手本」にしようとしたが、党内抗争が激化し、断念した。

金正恩氏:父親が倒れて後継浮上

 2008年8月、金正日総書記が脳卒中で倒れた。一命を取り留めて11月までに公務に復帰したが、余命を悟ったとみられる。権力後継作業を本格化させ、三男の金正恩氏を後継者に選んだ。

拡大する写真・図版平壌の金日成(キムイルソン)広場での軍事パレードに出席し、兵士らへ敬礼する金正恩氏(左から2人目)、金正日総書記(右端)ら。2011年9月9日に撮影され、朝鮮中央通信が配信した=ロイター

 金正日氏自らは、父の金日成国家主席が死去する20年前に選ばれ、準備期間があったが、金正恩氏は数年後に独り立ちしなければならなかった。父親としてすぐしてやれることは、自ら進めてきた核開発を基盤とした軍事的な実績作りだった。

トランプ氏:オバマ氏の出自に固執

 トランプ氏は11年、オバマ大統領(当時)の疑惑を追及したことがある。「米国生まれではないのでは」というものだった。この頃、トランプ氏は12年大統領選の共和党候補として人気が高まり、支持率が1位になっている。

 再選を目指すオバマ氏は、疑惑騒動に決着をつけようと、11年4月に出生証明の原本を公開した。同月、ホワイトハウス記者会の恒例ディナーで「これで、月面着陸はウソだったのか、などの重要な問題に取り組める」とトランプ氏が仕掛けた疑惑を冗談のネタにした。爆笑が広がるなか、会場にいたトランプ氏は表情を変えなかった。政治アドバイザーの一人は米公共放送PBSに「この時、大統領選への立候補を決めたのでは」と話す。

■金正恩氏:核開発と経…

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