[PR]

 森友学園との国有地取引に関する決裁文書の改ざん問題で、財務省が4日午後に公表する調査報告書と処分内容が明らかになった。報告書は、国会審議の紛糾を回避する目的で改ざんが行われたと認定。交渉記録の廃棄は、安倍晋三首相が自身と妻の取引への関与を強く否定した国会答弁がきっかけだったとした。そのうえで、佐川宣寿(のぶひさ)・前理財局長は「廃棄や改ざんの方向性を決定づけた」とし、「停職3カ月相当」の処分として退職金を減額する。

 安倍首相は国会で、改ざんや廃棄は自身の答弁と無関係だと説明しており、野党から発言との整合性を追及されるのは必至だ。

 処分対象者は全体で20人に及ぶ。麻生太郎財務相も閣僚給与を1年分自主返納する。

 改ざんについて財務省の調査では、佐川氏は昨年2月27日、決裁文書の内容を報告され、「このままでは外に出せない」と反応。部下は「記載を直すことになる」と認識した。さらに佐川氏は理財局の中村稔総務課長らに「担当者に任せるのではなくしっかり見るように」と指示したという。

 同時期に進められた交渉記録の廃棄については昨年2月17日、安倍首相が国会で「私や妻が関係していたということになれば、首相も国会議員も辞める」と述べたことが契機だったと認定。同24日、佐川氏が国会で「記録は残っていない」と答弁。その後、佐川氏は中村課長に対し、文書管理の徹底について念押しし、中村課長は記録を廃棄するよう指示されたものと受け止めたという。

 このため、佐川氏については「応接録の廃棄や改ざんの方向性を決定づけたものと認められる」とし、「問題行為の全般について責任を免れるものではない」とした。中村課長については、佐川氏に最も近い立場にあって「中核的な役割を担っていた」と認定。佐川氏に次ぐ停職1カ月の処分とする。

 麻生氏は4日早朝、主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議が開かれていたカナダから羽田空港に到着した。記者団から「財務省から報告は」「自身の進退については」などと質問が飛んだが、終始無言で、まっすぐ前を見据えたまま足早に立ち去った。

 麻生氏の帰国を受け、財務省は同日午後、衆参の予算委員会の理事懇談会で調査結果や処分内容を説明した後、記者会見を開く方向で調整している。

森友学園問題をめぐる最近の動き

3月2日 朝日新聞が決裁文書に書き換えの疑いがあると報道

  9日 佐川宣寿国税庁長官(前理財局長)が辞任

  12日 財務省が決裁文書の改ざんを認める

  27日 佐川氏の証人喚問

5月23日 財務省が学園との交渉記録を意図的に廃棄したと発表

  31日 大阪地検特捜部が佐川氏ら38人を不起訴処分とし、発表

6月4日 財務省が調査結果・処分を発表