天皇、皇后両陛下は9日、新幹線臨時専用列車で福島県に入った。平成最後の全国植樹祭に出席するほか、東日本大震災の被災者を見舞う。両陛下は震災発生後、宮城、岩手、福島の東北被災3県に10回以上、足を運び続けてきたが、来年4月末に退位を控え、今回が在位中最後の訪問となりそうだ。

 宮内庁によると、9日はいわき市の復興公営住宅団地で浪江町などから避難している人たちと懇談。夜は被災した「スパリゾートハワイアンズ」で、復興に向け被災者を励ましたフラガールの踊りを観賞する。

 10日は、南相馬市で全国植樹祭に出席する。「三大行幸啓」と呼ばれる毎年恒例の地方訪問の一つ。戦争で荒れた国土に緑を取り戻そうと1950年に始まり、両陛下は即位後毎年出席してきた。退位後は新天皇となる皇太子さまに引き継がれる。

 いわき市から植樹祭会場に向かう途中、高速道路上で東京電力福島第一原発まで約6キロの地点や帰還困難区域を通る。天候次第では、車内から原発周辺の様子が見られるという。天皇陛下は震災発生直後から原発事故を気にかけ、専門家らを御所に呼んで説明を受けてきた。様子を見に行きたいと側近に相談したこともあるという。近づくことが難しいと分かると、「自衛隊の飛行機などで上空からでも見られないか」などと語ったという。

 11日は震災発生直後に訪れた相馬市の原釜地区を再訪し、慰霊碑に供花する。(緒方雄大、島康彦

東日本大震災と天皇、皇后両陛下

《2011年》

3月11日震災発生。16日、天皇陛下が「いたわり合って、この不幸な時期を乗り越えることを衷心より願っています」と国民にビデオメッセージ。30日から7週連続で被災地や避難所へ

《12年》

3月に震災追悼式に出席、16年まで毎年出席。5月に宮城県、10月に福島県を訪問

《13年》

7月に岩手県や福島県を訪問

《14年》

7月に宮城県、9月に青森県を訪問

《15年》

3月に宮城県、7月に福島県を訪問

《16年》

3月に福島県と宮城県、9~10月に岩手県訪問

震災5年の追悼式では天皇陛下が「大きな犠牲の下で学んだ教訓をいかし(中略)より安全な国土が築かれていくことを衷心より希望しています」とおことば

《18年》

6月9日~ 福島県訪問