[PR]

 森友学園との国有地取引に関する決裁文書の改ざん問題で、財務省は4日、調査結果と関係職員計20人の処分を発表した。佐川宣寿(のぶひさ)・前理財局長が改ざんや交渉記録の廃棄の方向性を決定づけたとし、「停職3カ月相当」の処分として退職金から約500万円を減額する。学園との交渉記録は、安倍晋三首相が自身と妻昭恵氏の取引への関与を強く否定した国会答弁の後、昭恵氏の記載が確認され、廃棄や改ざんがされたという。

 麻生太郎財務相は記者会見で「決裁を経た行政文書を改ざんし、国会に提出することはあってはならないことで、誠に遺憾だ。深くおわび申し上げる」と謝罪。「行政全般の信頼を損なった」として、閣僚給与1年分(170万円)を自主返納するとした。そのうえで「私のリーダーシップのもと、信頼回復に努める」と続投する意向を示した。

 公表した調査報告書は51ページで、佐川氏を含めた関係職員の聞き取りをもとに作成。これまでは「書き換え」と表現したが、今回から「改ざん」と表現した。

 報告書によると、学園との土地取引が国会で問題になった昨年2月、理財局の中村稔総務課長らの報告に佐川氏が「文書を外に出すべきではなく、最低限の記載とすべきだ」といった反応を示したため、中村氏らが「記載を直す必要がある」と認識。その後、改ざんが進められ、近畿財務局の職員からは強い反発があったという。昨年3月20日には、佐川氏も含めて改ざん内容を協議しており、遅くともこの時点までには佐川氏も改ざんを認識していたと認定した。

 安倍首相が昨年2月17日、「私や妻が関係していたということになれば、首相も国会議員も辞める」などと国会で答弁して以降、中村氏が昭恵氏の名前が入った文書の有無を確認。これ以降、政治家関係者に関する記録などもリストにし、廃棄が進められたという。

 改ざんや廃棄の目的については、国会審議の紛糾を回避するためだった、としている。土地取引自体の妥当性に関する言及はなかった。

 調査結果を踏まえ、中村氏は「中核的な役割を担っていた」として、佐川氏に次ぐ停職1カ月の処分とした。改ざん・廃棄に関与したほかの理財局や近畿財務局の幹部も減給や戒告、厳重注意とされ、監督責任があったとして当時の佐藤慎一事務次官を減給10%・1カ月相当、岡本薫明官房長(現主計局長)を厳重注意とした。一方、近畿財務局内で本省の指示に反発した、幹部以外の職員の責任は問わないことにした。

財務省の調査報告書のポイント

・これまで「書き換え」と表現してきたが、経緯や目的を踏まえて「改ざん」に

・改ざんや廃棄は森友学園問題の国会審議で、さらなる質問につながる材料を少なくすることが主な目的

・財務相や事務次官に報告されないまま、佐川宣寿(のぶひさ)・前理財局長が交渉記録の廃棄や文書改ざんの方向性を決定

・中村稔・理財局総務課長が中核的役割を担い、関係者に方針を伝達

・安倍首相の「私や妻が関係していたなら首相も国会議員も辞める」との国会答弁の後、政治家関係者に関する記録がリスト化され、交渉記録の廃棄を進めた

・処分は20人。佐川氏が停職3カ月相当、中村総務課長が停職1カ月