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 半導体の専業メーカーとして東芝から今月独立した「東芝メモリ」の成毛康雄社長と、東芝から同社を約2兆円で買収した「日米韓連合」を率いる米投資ファンド、ベインキャピタルの杉本勇次・日本代表が4日、東京都内で記者会見を開いて今後の経営戦略を説明した。主なやりとりは次の通り。

 ――日米韓連合は関係者が多い。だれが主導するのか。

 杉本氏「半導体業界では迅速な意思決定が重要だ。ベイン出身者が取締役の過半数を占めてリードし、成毛社長以下の執行メンバーとともに経営判断を行う」

 ――収益の目標は。

 成毛氏「市場の成長をきちんとカバーして顧客の要求に応えるが、説明できる数字はない」

 ――生産能力の拡大をどう進めるか。

 成毛氏「市場の状況を見て、競合に後れをとることがないように前向きにやっていきたいが、まずはそういうスペースの確保が重要。岩手(の新工場建設)は現時点で決まっているが、その次のスペースも適時判断していきたい。四日市、岩手(の拡張)が引き続き候補だ。自動化、AI(人工知能)で効率を上げ、日本の質の良いエンジニアを投入すれば、国内の工場で戦えると思っている」

 ――新たなブランド構築の方向性は。

 成毛氏「社名の変更も一つ(の方法)だし、製品を使ったブランドもあるかもしれない。企業価値の向上が目標なので、関係者と協力して決めていきたい」

 ――東芝から独立したことで、どんな影響が出てくると考えるか。

 成毛氏「大きな会社の中にいるメリットは、ビジネスが難しくなったときに支援してくれることだが、残念ながら昨今の東芝はそういう状況になかった。今回、ベインの支援をいただいて独立することで、私どもの都合でビジネスを考えていける」

 ――東芝は再出資して約4割を握る大株主になる。

 杉本氏「大株主へのしっかりとした連絡と報告は必要だ。一方で、ガバナンス(企業統治)も含めた経営は私どもが主導して行っていく。東芝(の意思)がそこに反映されることはない」

 ――政府系ファンドの産業革新機構と日本政策投資銀行からも、将来は出資を受ける見通しだ。

 杉本氏「まだ協議は始まっていないし、決定した事項はない。企業価値向上に資するかどうかが判断軸。そこを判断して、出資していただくことを検討していく。半導体企業への投資の実績を持っているので、何らかの知見を持っているのではと思っている」

 ――市場では、首位の韓国サムスン電子とのシェアの差が広がっている。

 成毛氏「私どもはNAND(ナンド)型フラッシュメモリーを発明し、(大容量の)3DNANDも他社に先駆けて発表した。技術力は今もトップレベル、凌駕(りょうが)するところもあると思っている。製造のボリューム感では追いついていないところもあるが、技術を中核に据えて戦っていく」

 ――M&A(企業合併・買収)についての考えは。

 杉本氏「どういった技術が必要になるかを考えていきたい。私どもの資金調達能力を駆使して、かなり大きなM&Aも可能になると思っている」

 成毛氏「制御などで単体の技術をもっているベンチャー企業と技術提携、M&Aをしていくのも一つの選択肢。長期的には、次世代メモリーで必要となる技術で、連携を含めた選択肢があるかもしれない」