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 スバルは5日、出荷前の自動車の排ガスと燃費の検査の測定値を改ざんしていた問題で新たな不正が見つかったと発表した。不正があった台数は903台から1551台に増えた。現時点で品質に問題はないとしているが、再調査の上でリコール(回収・無償修理)の必要性を判断するとしている。度重なる不正の発覚を受け、吉永泰之社長が会長兼最高経営責任者(CEO)に就く人事案を撤回し、代表権のない会長に退くことも明らかにした。

 新たな不正はスバルの群馬製作所(群馬県太田市)の2工場で、遅くとも2012年12月ごろから行われていた。排ガスや燃費のデータを測定する際は、道路運送車両法の保安基準で決められた速度で一定時間走らなければならないのに、速度を逸脱した場合も測定をやり直さず、測定値を書き換えたり有効なデータとして処理したりしていた。

 排ガスや燃費のデータを測定する部屋の湿度が同法が定める基準外だったのに、有効な測定値と処理した不正も見つかった。

 スバルでは昨年10月、出荷前の車の無資格検査問題が発覚。今年3月に排ガス・燃費データの改ざんを公表し、4月に国土交通省に再発防止策を報告していた。スバルによると、新たな不正は5月中旬、国交省から疑いを指摘されて実施した社内調査で発覚した。今後、社外の弁護士らによる再調査をして対象車種や不正の原因などを究明した上で7月初旬をめどに国交省に報告するという。

 排ガス・燃費検査の測定値改ざんについて4月下旬に国交省に提出した調査報告書では、品質に問題はないと説明。一連の排ガス・燃費不正でリコールは届け出ていないが、吉永氏は記者会見で「リコールの判断はこれからの調査結果を踏まえないといけない」と述べ、今後の届け出の可能性に含みを残した。

 石井啓一国交相は5日、「スバルの全容解明に対する姿勢に疑問を抱かざるを得ず、極めて遺憾」とのコメントを出した。(高橋克典)