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 2026年冬季五輪・パラリンピック招致を検討している計7カ国の都市が、札幌市を含め慎重な姿勢を続けている。国際オリンピック委員会(IOC)総会で立候補都市が絞られる10月まで約4カ月だが、正式表明する都市は出ていない。むしろ撤退の可能性を抱える都市が少なくない。

 今回から招致は2段階方式が導入された。現在は前段で、五輪開催に興味を示す都市に対し、IOCが専門家を派遣して負担軽減の支援に協力する「対話ステージ」。10月から公式な招致期間「立候補ステージ」に入り、19年9月のIOC総会で開催都市が決まる。

 1988年に冬季五輪を開催し、有力候補に挙がるカルガリー(カナダ)は、5日に4回目の評価委員会を開く。すでに立候補の可能性を探るための委員会を設置し、400万米ドル(約4億3千万円)以上を費やしてきた。経済効果が期待できる一方で、46億米ドル(約5050億円)と予想する大会運営費を懸念する声も根強い。

 市民の声を広く聞くために、公聴会を検討中。10月以降に住民投票を実施する案も出ている。カナダ・オリンピック委員会のトリシア・スミス会長は「市民に正確な情報を与え、意見を主張する機会を設けることは大事だ。カルガリーなら、最高の舞台を整えられると信じている」と話す。

 同じく有力候補とみられているシオン(スイス)では、10日に予定されている住民投票が鍵を握る。スイス政府は10億米ドル(約1090億円)の経済支援を表明しているが、直前の調査では劣勢と報じられている。結果によっては撤退を選ぶ可能性も否めない。

 開催すれば1972年以来2回目となる札幌市も、秋元克広市長は30年大会に変更したい意向を示している。ストックホルム(スウェーデン)、グラーツ(オーストリア)、エルズルム(トルコ)、共催案を掲げるコルティナダンペッツォ、トリノ、ミラノ(イタリア)でも、明確な方針は固まっていない。(遠田寛生)