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 劇場正面に役者の名を書いたまねき看板が上がり、客席には華やかな芸舞妓(げいまいこ)が――。そんな古都の風物詩が京都四條南座(京都市東山区)に戻ってくるまで、あと半年を切った。約3年ぶりの再オープンを前に、松竹が来年9月までの南座の公演内容を発表した。伝統的な歌舞伎から訪日外国人を意識した公演まで、継承と革新を打ち出したラインアップとなった。

 こけら落としは、2カ月続けての吉例顔見世(かおみせ)興行だ。日程や演目はまだわかっていないが、11月は高麗屋三代の襲名披露も兼ね、松本白鸚(はくおう)、松本幸四郎、市川染五郎がそろい踏みする。12月は演目や出演者を替え、これまで通り東西の歌舞伎俳優が集う。

 来年3月には坂東玉三郎の特別公演、9月には、片岡愛之助、中村七之助、市川中車(ちゅうしゃ)が顔を合わせる九月花形歌舞伎もある。

 古典だけでなく、デジタル演出を使った新作歌舞伎も上演もする。8月の「超歌舞伎公演」は、中村獅童(しどう)とバーチャルアイドル初音ミクが“共演”する異色の歌舞伎。過去3回上演した千葉・幕張メッセでの「ニコニコ超会議」を飛び出し、初めて劇場で上演される。

 6月の新作歌舞伎「NARUTO―ナルト―」は、ニンジャを描いた同名の人気マンガ(岸本斉史作)が原作だ。松竹の安孫子正・副社長は「NARUTOの認識度は世界的に高い。外国の方にもわかってもらえるよう、全世界に向けての公演という意識で上演したい」と話す。

 外国人客を意識した公演は、5月に初めて開催する「京都ミライマツリ2019」も。新たな南座は客席のイスを取り外し、舞台と客席部分を一体にできる機構を備える。ミライマツリではこれを生かし、日本の祭りをベースにした観客参加型の公演を開く。

 きゃりーぱみゅぱみゅらが所属し、原宿発のカワイイ文化を発信する「アソビシステム」や、せりふがないノンバーバル劇「ギア―GEAR―」で知られる「アートコンプレックス」などとタッグを組み、「日本の伝統的な文化に、ポップカルチャーやテクノロジーを融合させる」と、南座の藤田孝支配人は言う。

 ほかに年始の松竹新喜劇や、7月のOSK日本歌劇団の夜のレビュー公演など。4月の都をどりも67年ぶりに南座で開かれる。

 安孫子副社長は「京都という特殊性を生かしていくことが大切。400年の歴史を生かした新しい作品をどんどん世の中に提供していきたい」と話す。(岡田慶子)

京都四條南座で予定されている公演

2018年

11、12月 吉例顔見世興行

2019年

  1月 松竹新喜劇 新春お年玉公演

     喜劇 有頂天団地

  2月 KYOTO EXPERIENCE!

  3月 坂東玉三郎特別公演

  4月 都をどり

  5月 京都ミライマツリ2019

  6月 新作歌舞伎 NARUTO―ナルト―

     京都五花街合同公演 第26回都の賑(にぎわ)い

  7月 桂米団治独演会

     OSK日本歌劇団レビュー

  8月 超歌舞伎公演

  9月 九月花形歌舞伎