写真・図版

[PR]

 所有者がわからなくなっている土地を公共の目的に限って使えるようにする特別措置法が参院本会議で可決、成立した。最大で10年、民間業者やNPOなどに土地の「利用権」を与えるのが柱だ。来年6月までに全面施行する。

 都道府県知事が公益性などを確認した上で利用権を与えると定めた。対象は建物が立っていない所有者不明土地で、公園や直売所などに使うことを想定している。利用権を与えた後に土地の所有者があらわれて明け渡しを求めた場合は、権利が切れた段階で元の状態に戻して返さなければならない。利用権は延長もできる。国土交通省は今後、事業者向けのガイドラインを定める。

 また、公共事業の際の土地収用の手続きを簡略化する内容も盛り込んだ。これまでは収用するまで31カ月程度かかっていたが、特措法によって21カ月で済むようになる見通しだ。

 有識者による所有者不明土地問題研究会は、2016年時点で全国の所有者不明土地が九州の面積よりも広い約410万ヘクタールに及ぶと推計している。