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 「塀のない刑務所」として知られる松山刑務所大井造船作業場(愛媛県今治市)から受刑者が逃走した事件を受け、法務省は再発防止策として新たな警備システムを導入することなどを決めた。電子錠や赤外線センサーなどを整備することが主な柱という。

 再発防止策は法務省が6日、自民党の法務部会などに説明した。それによると、作業場の出入り口に電子錠と入退室監視システムを設けるほか、寮の外壁に赤外線センサーを設置し、寮周辺にはセンサー付きカメラなどを導入することで監視体制を強化する。また、受刑者が寮のルールに違反した場合、原則としてすぐに松山刑務所に送還するほか、週末は松山刑務所に収容するなど運用を改めるという。

 同作業場は外塀や、受刑者が暮らす寮の窓の鉄格子がない「開放的施設」。4月8日に受刑者の平尾龍磨容疑者(27)=単純逃走罪で起訴=が逃走する事件が起き、法務省が警備のあり方などを検討してきた。当初は、監視カメラと顔認証システムを組み合わせた逃走防止策や、受刑者本人の同意を得た上でのGPS(全地球測位システム)端末の装着なども検討されたが、「一般社会に近い環境で更生を図る」という施設の目的にそぐわないとして、導入は見送った。

 作業場に収容されていた受刑者19人は事件後に松山刑務所に移送した。法務省はシステムの整備が終わり次第、作業場に戻すという。(浦野直樹)