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 1966年に静岡県で一家4人が殺害された事件で、東京高裁は11日、死刑が確定した袴田巌さん(82)の再審開始を認めない決定をした。高裁で決定を出したのは大島隆明裁判長(63)。77年に司法試験に合格し、80年に弁護士登録した後、翌81年に岡山地裁で判事補になった。東京、横浜地裁で部総括判事を歴任したほか、金沢地裁所長などを務め、2013年8月から現職。来年7月に定年を迎える。

 横浜地裁に勤務していた時は、戦時下最大の言論弾圧事件とされる「横浜事件」の再審請求審を担当。08年10月には、治安維持法違反の罪に問われ、有罪が確定した雑誌「改造」の元編集部員の再審開始を認めた。再審でも裁判長を務め、09年3月には同法が戦後に廃止されたことなどを理由に、有罪か無罪かに踏み込まずに裁判手続きを打ち切る「免訴」を言い渡したが、10年2月には「治安維持法の廃止などがなければ、無罪判決を受けたことは明らか」として元被告5人に刑事補償を認めた。

 東京高裁では東京都庁に爆弾が入った小包を送ったとして、殺人未遂幇助(ほうじょ)などの罪に問われたオウム真理教元信徒の審理を担当。「教団が大規模なテロを計画していると知っていたとは言えない」として15年11月、一審・東京地裁の有罪判決を破棄し、逆転無罪を言い渡した。検察側は不服として上告したが、無罪判決は最高裁で確定した。(岡本玄)