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 旧優生保護法のもと、障害者らに不妊手術が強制された問題で、茨城県は6日、県立歴史館(水戸市緑町2丁目)に保管されている公文書を調査した結果、新たに62件の強制不妊手術が確認されたと発表した。国の調査では、県内の手術件数は54件とされていたが、今回の県の調査と合わせて計116件となり、大幅に増えた。

 県によると、個人が特定できる資料も2人分見つかり、1人は強制不妊手術を受けたと確認できるため、手術を受けた人のうち、名前を確認できたのは23人となった。

 今回の調査は、歴史館に保管されている1948~96年の生活福祉部や衛生部などの6240冊の公文書を調べ、49冊が旧優生保護法について記載がある資料だったという。個人を特定できる入退院や手術件数に関する国からの照会に関する資料などが見つかった。手術をするかどうかを決めた「県優生手術審査会」の議事録や申請書など、手術に直接関係する資料は発見できなかったという。

 少子化対策課によると、厚労省の調査ではこれまで県内で54件。「今回、この数字に反映されていない可能性が高い手術が62件確認できた」と説明している。

 新たに強制不妊手術が確認されたことについて、同課は「理由は明確にわからない」とした上で、国への報告漏れや、報告文書の数字が年と年度で異なっていた可能性を挙げた。

 個人を特定する資料も新たに見つかった。69年度に作成された資料が見つかり、28歳の女性が「県立友部病院」で強制不妊手術を受けたことなどが確認できたという。

 また、公開されている資料を県がまとめた結果、旧優生保護法3条で定められている、同意のもとで行われた不妊手術の件数は4730件に上ることも分かった。

 歴史館の調査以外でも、6日、県立こころの医療センター(旧・県立内原精神病院)でカルテの整理中に、女性3人分の手術に関する記録が見つかったと県が発表した。うち、女性1人は強制不妊手術を受けたとされる。

 ほかの2人の女性と、先月、県立あすなろの郷で見つかった女性10人については、手術が強制によるものか、同意のもとで行われたものかは確認できていないという。県は今後、歴史館以外の障害者施設や病院、民間施設などへ調査を広げることも検討している。

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http://www.asahi.com/apital/medicalnews/focus/(比留間陽介)