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 「光」「色彩」「文字」「物」「スケール」「反復」……。テーマで区切られた展示室に、ジャンルも時代も様々な作品が並ぶ。すぐに共通点がわかるものもあれば、そうでないものも。意外な組み合わせにハッとしたり、作品の新たな一面に気づいたり。国立国際美術館(大阪市北区)の所蔵作品展「視覚芸術百態:19のテーマによる196の作品」は、驚きと発見に満ちた刺激的な場となっている。

 たとえば「スケール」がテーマの展示室。巨大な耳のオブジェのそばには、耳を描いた小さな版画が。そのほか、トーマス・ルフによる特大サイズのポートレートや、天に向かって組み上げたはしごを登る人間を模型で表現したイリヤ・カバコフ「天使と出会う方法」などが並ぶ。大きいもの、小さいものが入り交じり、自分の身体のスケールすらもあいまいになってくる。

 「反復」の展示室では、高松次郎の「ネットの弛み」や、朱色の点が連続する李禹煥(リウファン)の「点より」といった作品が集められ、様々な反復のあり方が感じられる。

 担当した中西博之・主任研究員は「従来の所蔵作品展は、時代別、地域別が一般的だった。しかし、現代の美術作品においては、『地域別』という分類が必ずしも機能しなくなっている」と話す。そうした従来の分類に変わって用いられてきているのが、「テーマ別」という手法だ。

 今展で19のテーマは大きく二つに分けられ、それぞれ展示階を分けている。「点・線・面」「色彩」「スケール」といった「作品の要素」を表すテーマは地下3階に。「人」「自然」「反復」など、「描写の対象」を表すテーマは地下2階に。また、それぞれ中心的なテーマは展示フロアの中心部に位置するよう、配置されている。

 テーマは鑑賞者の見方をしばるものではなく、あくまで一つの手がかりとして示されているだけ。そのため、それぞれのテーマについて詳しい解説はなく、作品がなぜ選ばれているかの説明もつけていない。

 国立国際美術館は40周年を迎え、収蔵品は8千点を超える。今展の出展作品のうち、約50点は新収蔵品だ。山梨俊夫館長は「美術館が数十年コレクション活動を続けるとどんな蓄積ができるのか。現代美術のコレクションをする美術館には、どんなものが集まっているのか。この展覧会を通して知っていただければ」と話す。

 7月1日まで。月曜休館。一般900円。国立国際美術館(06・6447・4680)。(松本紗知)