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日本郵船 内藤忠顕社長に聞く

 今年4月、日本の海運大手3社がコンテナ部門を統合した。大手がひしめき合う世界の海運業界で、日本勢はどう生き残るのか。日本郵船の内藤忠顕社長に聞いた。

 海運の場合、好景気の波は数年、遅れてやってきます。世の中は景気がいいのでしょうが、海運業界は依然、苦しい状態です。一昨年には韓国の最大手が破綻(はたん)しました。今も船の数の多さが市場全体を覆っています。

 そんな中で今年の春、新たな中期経営計画をつくり、「Digitalization and Green」という取り組みを中心に据えました。つまり、デジタルと環境です。

 船にはたくさんのデータがあります。波、潮、風、水温といった自然条件のほか、船の性能や運航速度、ルートなどです。これらのデータを人工衛星を使ってリアルタイムに近い状態で把握したいのです。

 すでに、エンジンなどの船内のデータを集め、不具合があればすぐに分かるようにしています。デジタル化は効率的で安全な運航につながるのです。無人という意味ではありませんが、近い将来、自律航行船も実現させたいと思っています。

 すでに海上にある船の多くのデータが陸とつながり始めています。日本郵船は世界の大手と比べてもその分野はかなり進んでおり、優位に立っていると思います。

 デジタル化は省エネという面で、環境にも確実に寄与します。燃料についても重油ではなく、大気汚染物質の排出量が少ないLNG(液化天然ガス)への転換も積極的に進めています。(聞き手・加藤裕則)