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 東京・秋葉原の歩行者天国で2008年、7人が死亡し10人が重軽傷を負った無差別殺傷事件から8日で10年。加藤智大死刑囚(35)がトラックで突っ込み通行人を次々と襲った現場には、犠牲者を悼む人たちが朝から献花に訪れ、街の安全を願った。

 仕事の合間に手を合わせた男性(30)は「ごめんな」とつぶやいた。犠牲になった川口隆裕さん(当時19)は中学時代のハンドボール部の後輩。試合でミスしたときに照れ隠しに苦笑いする川口さんの表情を今も覚えている。「事件直後は毎日彼を思い出したのに、次第に数日に1度、1週間に1度になってしまった。10年がたって感傷が薄れてしまった。この10年、自分には何もできなかった。そのことを謝った。でも絶対に忘れない」

 会社員の中川原雄平さん(33)は、あの日、秋葉原に出かける予定だったという。「言葉にならない悲惨な事件に、自分も巻き込まれていたかもしれない。二度と起こらないよう祈っています」

 アニメやゲームが好きという岐阜市のフリーター河島学さん(23)はこの日に合わせて上京した。「昔から憧れ、大好きなこの街に平和と安全が続くよう守りたい。そのためにも事件を忘れてはいけない」と話した。

 一方で、最近、秋葉原で勤務するようになったという女性(36)は「もう10年なんですね。ここが現場とは知らなかった」と驚いた様子だった。(力丸祥子、高島曜介)