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 県内有数の進学校、秋田南(秋田市仁井田緑町)。学校から約150メートル北にある食堂「レストハウス井畑」は、野球部を約半世紀にわたって支えてきた。レジの後ろには、部の指導に来た中京大中京・大藤敏行総監督(当時)の色紙も飾られている。

 「鶏から揚げ定食」や「ラーメン・ホルモン・半ライスセット」などが人気。中でも、みそ、しょうゆで味付けをし、2時間以上かけて煮たホルモンは「軟らかくてボリュームがある」「おいしい」と好評だという。

 店は井畑敏子さん(78)が1969年9月、夫や義母と開いた。まもなく同校剣道部の教諭に「子どもたちに食べさせてほしい」と頼まれ、生徒が持参した米を炊いて食事を作ったのをきっかけに、同校との付き合いが始まった。

 野球部の春や夏の合宿では1日3食、同校から部員が食事に通う。朝食は朝6時ごろ、夕食は夜7時ごろから。「多い時には40~50人。高校生はよく食べる。1回の食事でごはんを3升ずつ3回炊くんですが、それでも『足りなくなるのでは』とハラハラすることもありました」と井畑さん。

 昔も今も、おとなしい「南高(なんこう)気質」は変わらないという。だが、合宿最終日の夕食後には、部員たちが芸を披露するのが恒例だ。「次々にものまねをしたり歌ったり。ふだんの南高生とは違った、にぎやかな雰囲気になりますね」

 井畑さん自身、「先生に怒られても、ご飯の時間を一番の楽しみに頑張る」という部員のひと言や、「合宿の時に食事に来ました」と卒業後に訪ねてくるOBらに励まされてきた。

 市街地に近い南高周辺も高齢化が進む。冬の雪寄せに積極的に協力するなど、地元とのつながりは深い。夏の甲子園をめざす秋田大会での活躍に期待が寄せられている。

 井畑さんは「良い試合をして、まずは1勝をめざしてほしい。一度は甲子園に連れていってほしいですね」と笑顔で話した。(金井信義)