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 1966年に静岡県で一家4人が殺害された事件で死刑が確定した、袴田巌さん(82)=浜松市=について、東京高裁(大島隆明裁判長)が11日、再審開始を認めるかどうかの決定を出す。

 袴田さんは現在、故郷の浜松市のマンションで姉の袴田秀子さん(85)と暮らす。JR浜松駅周辺を歩くのが日課で、すれ違う人から「応援しとるで」と声をかけられることもある。

 48年に及んだ拘禁生活の影響で袴田さんは精神を病み、意味が通じない発言も多い。自分のことを「神」や「最高権力者」と語ることもある。秀子さんによると、自身と敵対する存在を思い浮かべてか、「ばい菌」や「ゴミ」という言葉を口にすることも多い。「文章を書かせても同じ。拘置所に入っている時からそうだった」(秀子さん)という。

 5月には、支援者らがメッセージや意見を書き込める「袴田巌さんの壁」が静岡市内で除幕され、袴田さんも「幸せの花」と書き込んだ。秀子さんによると、袴田さんが「幸せ」という言葉を使ったのは、釈放後初めて。「今は幸せだと、多少でも思ってくれると本当にありがたい。裁判の決定で、巌をいつまでも幸せにしてほしい」と話した。(矢吹孝文、宮川純一)