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 主要7カ国首脳会議(G7サミット)が8日、カナダのシャルルボワで開幕した。高関税措置やイラン核合意の離脱方針で国際協調路線に背を向ける米国のトランプ大統領と、6カ国の首脳との溝が埋まるかが焦点だ。トランプ氏は同日、「ロシアをG7サミットに再加入させるべきだ」と発言。参加国の反発を招き、新たな対立点が加わった。

 トランプ氏は8日、G7に向かう直前、ワシントンで記者団に「G7はロシアを追い出した。再び戻して交渉のテーブルにつかせないといけない」と語った。ロシアは2014年、ウクライナ南部のクリミア半島を一方的に併合し、G8から排除された。

 欧州連合(EU)の行政トップを務めるユンケル欧州委員長はシャルルボワで開いた会見で「ロシアはクリミア半島併合で国際法に違反した。我々はロシアの攻撃的なやり方を拒んでいる」と反発。カナダのフリーランド外相も、ロシアの元スパイが英国で重体となった殺人未遂事件にも触れ「G7へ受け入れる理由は全くない」と強調した。AFP通信によると、ドイツのメルケル首相も「ウクライナ問題で進展がない限りロシアの復帰は無理だ」と同調した。

 仏大統領府は「米国はロシアに最も厳しい制裁を科している国であり、提案には矛盾がある」と指摘。「ロシアの排除には7カ国の合意があった。再加入にも7カ国の合意が必要だ」と強く牽制(けんせい)した。

 一方、親ロシアの姿勢を明らかにしているイタリアのコンテ首相はツイッターで「米大統領に賛成だ。(ロシアの再加入は)皆の利益になる」とつぶやいた。日本政府によると安倍晋三首相は「ロシアとの対話と関与は必要」などと語り、賛否は明らかにしなかった。

 G7の初日の会合では、米国によるアルミ・鉄鋼製品の高関税を巡っても激しいやりとりが繰り広げられた。

 仏大統領府によると、トランプ氏は「貿易システムが不公正で、米国の経済、労働者、そして中流階級に完全に不利に働いている」と訴えたという。

 7カ国で採択を目指す文書をめぐっては、米国が課した高関税措置やイラン核合意の書きぶりをめぐり、米国とその他の6カ国で溝があり、「貿易は共通のルールに基づく、と言及すべきだ」などと主張する6カ国に対して米国が難色を示しているという。

 トランプ氏は8日、カナダのトルドー首相との会談に際し、記者団に「共同声明は採択されるだろう」と合意に自信を見せた。(ケベックシティー〈カナダ東部〉=疋田多揚、久保智)