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(8日、スイス2―0日本)

 後半ロスタイム。MF柴崎がペナルティーエリア付近からミドルシュートを放つ。ボールは大きくバーを越えた。日本は得点の匂いさえ感じさせられず、西野監督就任以降、2試合連続で無得点に終わった。

 先発の攻撃陣は1トップに大迫、トップ下に本田、その左右に宇佐美、原口を置く布陣。世界の主流である縦に速い攻撃に重きを置いたハリルホジッチ前監督のときには、ほぼそろわなかった顔ぶれだ。「ポゼッション」を重視する西野監督の下、キープ力のある本田を起用して、ゴールに迫る意図が見て取れた。

 これが、機能しない。

 手数をかけてボールをつなぐ日本の攻撃は、欧州一流クラブの選手が集うスイスのコンパクトで組織的な守りにことごとくつぶされた。そして、仕掛けるスピードは遅く、相手の守備網にひっかかり、球際では負けた。本田に代わって、後半途中から出場した香川は「攻撃のスイッチをどこでいれるのかというイメージをチームとしてもてていなかった」と厳しい表情を浮かべた。

 西野監督が、W杯に向けて志向するのが「自分たちがボールを保持した上でゴールを狙っていく」という姿勢だ。その難しさが、浮き彫りになった。中盤から攻撃を支えた長谷部も「迫力がない。アイデアや精度が明らかに欠けている。手詰まり感を感じた」と吐露した。

 W杯まで親善試合は残り1試合。攻撃力が高まる兆しは見えない。(堤之剛)