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 京都・祇園祭の山鉾(やまほこ)の一つで、聖徳太子をまつる「太子山(たいしやま)」の両側面を飾る胴懸(どうかけ)2枚が243年ぶりに新調された。9日、太子山保存会(京都市下京区)が披露した。前祭(さきまつり)の山鉾巡行(7月17日)で使われる。

 新しい胴懸は縦1・7メートル、横2・4メートル。生命を意味する木を中心部に、その周辺にクジャクなどの鳥や花が刺繡(ししゅう)されている。

 保存会によれば、これまでの胴懸はインド製の刺繡布を日本で加工し、1775年から祭りで使われてきたという。日本で新調すると1枚1億円以上かかるため、保存会の財政では困難と判断。人件費が比較的安く、刺繡の技術が高いベトナムの工房と日本の職人が協力し、約3年をかけて新調した。

 保存会の川口良正理事長(68)は「ベトナムと日本の技術の融合で完成した胴懸は、まさに聖徳太子の説いた『和をもって貴しとなす』です」と話した。(大村治郎)