天皇陛下が15日、東京・下町の板金工場を訪れた。ものづくりの現場を歩き、日本の産業を支える人たちを励ます――。皇太子時代から続けてきた企業視察の一環だ。来年4月末に退位を控え、陛下の「工場見学」も今回が最後となる。

 東京都墨田区、荒川の近くにある浜野製作所。午前10時ごろ、雨の中、スーツ姿で現れた天皇陛下は集まった人たちに、にこやかに手を振ってこたえた。工場に入ると、プレス機で金属部品をつくる様子を視察し、社員に「危険はないのですか」と質問。帰り際には、「皆さん方の技術で世界が幸せになれるように頑張って下さい」と声をかけたという。

 「工場見学」のルーツは皇太子時代の昭和30年代にさかのぼる。宮内庁によると、当初は公的な研究所などが中心で、やがて民間の施設にも頻繁に訪れるようになった。皇太子時代に訪れた研究施設は官民あわせて延べ約130カ所、企業の工場など生産・活動拠点は大手を中心に延べ約100カ所に及ぶ。即位後は回数は減ったものの、中小企業にも範囲を広げた。約60年間、ほぼ毎年足を運んできたことになる。

 「目がくたびれませんか」。2009年5月に訪れた池上金型工業中曽根事業所(埼玉県久喜市)で、陛下は金型の表面を磨いていた社員に語りかけた。

 昼食は、社員食堂で作られたカレーライスやサラダを食べながら社長らと懇談した。同社はホテルのケータリングや仕出し弁当も提案したが、「皆さんが普段食べているものを」という陛下の意向で社食のメニューになった。池上正信社長(59)は「少しでも我々の気持ちを共有したいとのお考えだったのでしょう」と振り返る。陛下はデザートまで完食したという。

 「これからもいいものを作って…

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