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 実質的に破綻(はたん)している核燃料サイクル政策の問題を考えようと、「ストップ・ザ・もんじゅ」(枚方市)などでつくる「脱原発政策実現全国ネットワーク関西・福井ブロック」が10日、大阪市中央区で集会を開いた。フランス在住の映像作家・渡辺謙一さんが、核燃料サイクルに固執することで膨らむ「負の遺産」を断ち切る必要性を訴えた。

 渡辺さんは、米の原爆開発「マンハッタン計画」の拠点の一つで、プルトニウム製造工場や原子炉があったワシントン州ハンフォードでは、汚染や健康被害が現在も続いていると説明した。再処理で出た放射性廃液をためたタンクが腐食し、対応する作業員が被曝(ひばく)する実態もあり、「原子力は犠牲者なしに立ち行かない」と語った。

 仏・ラアーグの再処理工場でも同様に廃液のタンクが劣化し、周辺で汚染が確認されたという。「核燃料サイクルができないことはもうわかっている。日本という自然豊かな土地で、原子力以外の独自の方法があるはずだ」と述べた。

 政府は、原発の使用済み核燃料を再処理し、取り出したプルトニウムで作ったMOX燃料を再利用する核燃料サイクルの推進を掲げている。サイクルに重要な高速炉をめぐっては「もんじゅ」(福井県)が廃炉となり、費用の一部を日本が出す仏の高速炉計画も仏政府が規模縮小の方針を決め、見通しは険しい。(荻原千明)