【動画】「慰霊の日には、うーとーとーをします」と語るタレントのりゅうちぇるさん=池永牧子撮影
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 太平洋戦争で激しい地上戦が展開された沖縄で、旧日本軍の組織的戦闘が終わったとされる23日の「慰霊の日」が近づいてきた。沖縄出身のタレントりゅうちぇるさん(22)にとっては、今も特別な日だ。自身のルーツや体験も踏まえた思いとは。

 高校卒業まで沖縄で育ちました。沖縄では若い子もおじい、おばあから戦争当時の話をよく聞きます。10代だった僕の父方のおばあは「アメリカに捕まるくらいなら、爆弾で死のう」と言って集団自決しようとする群れから、1人だけ逃げて生き残ったそうです。

 今も米軍基地があるから、戦争を身近に感じます。宜野湾市にあった自宅前には普天間飛行場があり、ヘリコプターや飛行機が爆音を響かせて飛行するのは当たり前の光景でした。

 危険と隣り合わせだと感じたのは、2004年に米軍ヘリが沖縄国際大(同市)に墜落した時です。僕は当時小学校3年生。友だちと本屋を出て、タコライス屋に入ろうとした時でした。ヘリが上空で旋回するのを眺めていたら、急に止まって、垂直に落ちたのです。その光景は忘れられません。

 会ったことはありませんが、僕の祖父は戦争中に日本に来た米兵です。戦後沖縄でおばあと出会い、父が生まれました。離婚して米国に帰国したそうですが、おばあは「戦争は人を変えてしまう。皆が皆悪い人じゃないし、皆が皆いい人でもない」と、米兵や祖父を悪く言いませんでした。

 米兵が問題を起こすと「出ていけ」という人もいますが、米兵皆が悪いわけじゃないと思う。だけど、戦争で傷ついている人もいるから「出ていけ」という気持ちもわかります。

 慰霊の日は、沖縄のことをめちゃくちゃ熱心に考える一日です。14年に上京してからも、慰霊の日は忘れてはいけないと思い、3年前、ツイッターに「慰霊の日、平和を願い『うーとーとー』をします」と投稿しました。沖縄の言葉で「手を合わせて祈る」という意味です。今も慰霊の日の正午には「うーとーとー」します。

 沖縄には悲しみにもまれた歴史があるけれど、ポジティブに明日へ向かう力があります。もっと沖縄のことを知ってほしいから、SNSでずっと発信し続けたいと思っています。(聞き手・逸見那由子)

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 りゅうちぇる 1995年生まれ。読者モデルの傍ら、テレビのバラエティー番組などに出演。2月には歌手デビューした。読者モデルぺこさん(22)と2016年末に結婚。2月にぺこさんの妊娠を発表した。