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 会談場所に向かうまで、トランプ氏は、何度か正恩氏の肩やヒジに触れながら行く先を示し、「エスコート役」としてふるまった。

 世界が注目する首脳会談での初顔合わせで、独裁国家の北朝鮮を国際社会に招き入れるよう演出。会談の主導権を握るとともに、指導者としての自らの姿を内外に示したといえる。

 会談を行う部屋に入った後、トランプ氏は正恩氏と再び握手を交わした後、軽く親指を立てて、「グッド」のサインを見せた。

 シンガポールに入る前、トランプ氏は主要7カ国首脳会議(G7サミット)が開かれたカナダで記者団に、正恩氏について「国民や彼自身、家族のために非常によいことをするだろう」と会談を楽観した。一方、「良いことが起きるかどうか会って1分以内に分かる」とも述べ、会った瞬間の正恩氏のしぐさや表情で、会談の成否が決まるとの考えを示していた。

 会談の3時間半前、トランプ氏はツイッターに「私をひどく嫌う人や敗北者たちは、私が首脳会談を行うという事実を米国の大敗北だと言う。我々は人質たちを取り戻したし、(核)実験、研究開発、すべてのミサイル発射が止まった。私を最初から『間違っている』と言ってきた専門家たちは、ほかに言えることがなくなっている!」と投稿した。会談の成功ぶりを見せつけようとする思惑が透けて見えた。(シンガポール=土佐茂生)