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 2020年東京五輪・パラリンピックの大会組織委員会は、障害のある人もない人も、分け隔てなく携われる大会にすることをめざしている。大会を支えるボランティアも同じだ。今年の平昌冬季五輪に参加した車いすの韓国人大学生が12日、東京に向けた課題を語った。

 障害のある人がボランティアをするうえで、一番苦労した点は何か。「バスですね。ボランティアが乗る循環バスのうち、車いすでも難なく乗り込める低床型のバスの台数が少なかった」。12日、東京都内であったシンポジウム「2020年東京大会を動かすボランティア」(主催・日本財団ボランティアサポートセンター)で登壇した大学4年生のクォン・ヒョヌさん(22)は話した。

 そのため、出退勤時に何台かバスをやり過ごすことも多かったという。

 幼い頃から車いす生活を送り、今は大学で社会福祉学を専攻するクォンさんは「国家的プロジェクトに自分も関わりたかった」との理由で、平昌大会のボランティアに応募した。大会用メダルや聖火トーチが展示される「広報館」で、客を案内したり展示物を説明したりする業務を担当した。

 「五輪でもパラリンピックでも自分と同じように車いすに乗ったボランティアはいたけど、人数はそう多くなかった。障害のある人も参加しやすい大会であってほしい」とクォンさんは話す。

 11日に公表したボランティア募集要項の中で、東京の大会組織委員会は「年齢、性別、国籍、障がいの有無等にかかわらず、様々な方々に大会成功の担い手になっていただくことが必要不可欠です」と呼びかける。

 そんな東京の組織委に対し、クォンさんは「低床バスは十分に必要な台数を用意してください。車いすでもほかのボランティアの方と同じ業務をこなし、同じ喜びを分かち合えるように」と望む。そして、車いす生活を送る日本の仲間には、「障害を理由に、大会に携わることを諦めないでほしい。自分は大会に貢献できたと思っているし、みなさんもきっとできる」と呼びかけた。(平井隆介