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 サッカーの天皇杯全日本選手権2回戦のJ1名古屋対JFL奈良ク戦(6日、名古屋市)で、勝者を決めるPK戦をやり直すことになった問題で、日本協会は12日、臨時の審判委員会(小川佳実委員長)を開き、試合を担当した主審(34)に3カ月の審判活動停止、50歳と33歳の副審2人に同2カ月の処分を科すと決めた。第4審判員(30)については、派遣した地域協会が処分を決める。

 処分理由について、同委員会は「PK戦のやり直しは、日本協会史上初めてのケース。競技規則(ルール)の適用ミスによって混乱を招いた責任は大きい」としている。アマチュア資格の4人ともミスを認めた上で復帰の意欲を示しており、協会は支援を実施する方針。

 問題の発端になったのは、延長戦後のPK戦。奈良クの4人目が蹴る直前に、軸足でステップを踏むように動き、主審はこれを「不正なフェイント」と判断した。競技規則に従えば、キッカーに警告が与えられ、キックも失敗扱いとなる。双方1人ずつを残し、名古屋4―2奈良クでPK戦は終わりだった。だが主審は、警告せずに蹴り直しを命じ、PK戦を続行。6人目で奈良ク5―4名古屋と決着した。選手、スタッフ、協会関係者もこのミスに気づかず、試合翌日に外部からの指摘で、ルールの適用ミスが判明。協会は「結果を大きく左右する」とし、PK戦だけをやり直すと決めた。

 また、同委員会は、映像をもとに当該シーンを検証。出席した委員8人が、主審がフェイントとみなした動作も「助走の一部」で、判定は「誤審」だったとの見解で一致した。結果的には誤りが二つ重なったが、「主審の下した判定は最終なもので、尊重されなければならない」とし、判定は覆らないことを強調。一方で、PK戦そのものは成立しておらず、「こういう重大な(ルールの)適用ミスは、さかのぼって結果を修正することができる。そこは線を引いて考えなければならない」としている。

 名古屋のGKランゲラックは、「こういう形は初めてのこと。助走中はどんな動きをしても良かったはず。最後のステップを踏んだ瞬間に蹴らないといけないというルールは知っていた。我々にとっても、相手にとっても、この判定、事象はなかなかうまく理解しがたい」と話している。(富山正浩)

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