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 勝山(福井)の全体練習が終わる午後7時過ぎ、グラウンドで黙々とティー打撃をする前川博靖監督(37)の姿があった。365日、毎日100回振ると決め、実践している。野球部の練習がない日は自宅で励んでいる。「しないと負けたことになっちゃうから」

 ランニング、キャッチボール、ときには守備練習も部員に交じって取り組む。打撃練習では投球を頼まれることも。そのときは「本気で来い」と応じる。

 1998年、高志の主将として第80回記念福井大会に出場した。しかし、当時はチームをしっかりと引っ張れなかった。「頭ごなしに言って、うまくいかないとふてくされて」

 教員となり、最初に赴任した敦賀工で野球部長を務めた。そこで竹内正人監督に言われた。素振りしろ、走れ、投球してみろ――。言葉通りに部員に交じって練習した。「自分のやりたがりなところを(竹内監督は)見抜いていたのだと思う。とても楽しかった」

 以来、部員たちと一緒に練習を楽しむ姿勢を貫く。密に接するからこそ、「苦しいとき、本気になって頑張れと言える」。部員から力をもらうことも。「自分の体力は落ちていく一方なのに、高校生は尻上がりに伸びていく。負けちゃいけないと思える」

 前川監督について、中村茂都君(3年)は「一緒に高め合っていく仲間みたいな感じ」と、親しみを込めて言う。主将の広田圭介君(3年)は「先生がいると練習が盛り上がる。負けていられない」と意気込む。

 夏の福井大会でのチームの目標はベスト8。その達成に向かって、監督と部員が一緒になって挑む。(平野尚紀)